H.モーザーはベーシックな三針モデルのエンデバー・センターセコンドのラインアップへ新たにベンタブラック文字盤を搭載したモデルを発表しました。ステンレススチールケースにパープルの秒針が組み合わせられているこの時計は、ムーブメントにダブルヘアスプリングを組み込んだ特別仕様になっていることを表しています。
ベンタブラック®とはカーボンナノチューブを垂直に配列させた構造で、光の粒子が ベンタブラック® に当たるとその 99.965% は吸収されてしまい、人間の目で対象物を認識するには光の反射が必要なため、ベンタブラック® は物質が存在しないもの=究極の黒 として認識されます。このベンタブラック®の素材を適切に加工するにあたり、卓越した技術と経験を備えたH. モーザー社であっても再度、構造を整備しサファイアクリスタルで完璧に保護する特殊な工程を開発する必要がありました。
2022年8月に発表されたストリームライナー・トゥールビヨン ベンタブラック®と同様に、インデックスを金属プレートの裏側から固定することで、革新的な素材であるベンタブラック®の特性を巧みに生かし、文字盤上からインデックスが現れたり消えたりするように見えるという極めて高難度な技術を実現しています。
ブルーのブリッジに下に組み込まれたダブルヘアスプリング。これは同一の特性を持った一対のひげゼンマイの組み合わせにより、拡張時の各ゼンマイの重心の動きが補正、摩耗が軽減、精度と等時性が大幅に向上するというもので、ひげゼンマイの製造に熟知している姉妹会社のプレシジョンエンジニアリング社だからこそ実現できる仕組みです。
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