H.モーザーがスイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードを発売

2021.02.03

2016年1月、スイスのジュネーブで開催される展示会「SIHH」に初めて出展することとなったH.モーザー。その開催初日の数日前に先行公開として発表した時計が世界中の人々の度肝を抜きました。その時計が「スイス・アルプ・ウォッチ」。

現経営体制に代わった2013年から3年間、時計ブランドとしての基礎固めに注力した後に満を持して発表したこの時計は、その後のH.モーザーの方向性を印象付けるマイルストーンとなりました。あの発表から約5年。いよいよそのコレクションの最終仕様、「スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード」が登場いたします。

上の画像が2016年SIHHで話題をさらった第一世代のスイス・アルプ・ウォッチ。

スイス・アルプ・ウォッチはその発表方法も独特でした。某スマートウォッチの名前を彷彿とさせるネーミングのみならず、そのPR方法も模倣しプロモーションフィルムでは現CEOのエドゥアルド・メイランがナレーションを行いました。

H.モーザーは単に面白おかしくこの時計を発表したわけではありません。そこには時計業界の将来を危惧するメッセージが含まれていました。スイスの時計産業、特に機械式の時計は1960年代以降から1990年ぐらいまで衰退の一途を辿りました。理由は電池で動き、さらに正確性もはるかに良いクォーツ時計の登場でした。

”クォーツショック”とも呼ばれているこの事態により、多くのブランドが機械式時計の製造を中止せざるを得なかったと言われており、同時に優れた伝統技術も失われていきました。

2016年はちょうどスマートウォッチが時計業界に進出し業績を伸ばし始めた年でした。時計ブランドのいくつかは(機械式時計を作れる技術がありながら)流行に倣い、自社でスマートウォッチを開発しました。H.モーザーはクォーツショックの同じ轍を踏ませたくない、そして自分たちの伝統的な技術を未来に繋げていきたいと思いからスイス・アルプ・ウォッチを製造することにしたのです。発表後の反響はあまりにも大きく、日本においてはYahoo!のトップニュースに掲載されるほどでした。その後、スイス・アルプ・ウォッチは様々なバリエーションを増やし、コレクションの柱の一つとして延べ400本以上製造されてきました。そして5年間に及ぶ冒険譚の集大成に相応しく、スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードが登場いたします。

スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードはロゴもインデックスも持たないH.モーザーの「コンセプトデザイン」が特徴です。スマートウォッチのスリーブモードを彷彿とさせる文字盤には人工的な物質で最も黒いベンタブラック®が使用されています。

ベンタブラック®は光の99.9 %以上を吸収してしまうカーボンナノチューブの集合体で、宇宙産業等への応用が研究されている最先端の素材です。イギリスの一つの会社のみが唯一その製造特許と使用許可を取得しているため、簡単には入手することができません。そして針もブラックコーティングされていますが、究極の黒の上ではコントラストが際立ち浮き上がっているように見えます。

この魅惑的なスタイルをさらに強調するのが 6 時位置のスモールセコンドで、開口部はそのために新たにデザインされたディスクで構成されています。絶えず過ぎ去る時をイメージさせるこのシンボルは、この場所、そして今という瞬間だけがすべてであることを感じさせてくれます。

「このコンセプトは、ブランド フレンドであり、スイス・アルプ・ウォッチ コレクションの熱烈なファンでもある一人のお客様からもたらされたものです。そのお客様が大変貴重なデザインを手に訪問されたとき、私たちはすぐに、ユーモアといささかの挑発を感じさせるこのモデルの制作を思い立ちました」と、H. モーザー社 CEO エドゥアルド・メイランは説明しています。

スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードは、ブラック DLC コーティングを施したステンレススチール製ケースで、完璧な黒が持つパワーとミニマリズムの精神を宿した現代的なデザインを見事に融合しています。

外観はスマートウォッチの現代的なデザインにインスパイアされながらも完全な機械式時計となっています。100% スイス メイドの自社製ムーブメントを搭載、しかもケースに合わせて角型に設計されパワーリザーブは 96 時間以上と、次世代まで永く愛用されるように開発されました。H. モーザーは今こそ、さまざまな情報をダウンロードするのではなく、私たち自身を充電する時であると考えています。

スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード
Ref.5324-1205

●製品スペック
素材:DLCコーティングを施したステンレススチール
ダイアル:ベンタブラック®
ケース径:縦44.0mm × 横38.2㎜
ケース厚:10.5mm
防水:日常生活防水
ムーブメント:手巻き
キャリバー:HMC 324
振動数:18,000振動/時
パワーリザーブ:約96時間
機能・特徴:パワリザーブインジケーター、スモールセコンドディスク
限定:世界限定50本
価格:3,400,000円(税別)

商品の更なる詳細はNX ONE GINZAまでお問い合わせください。