♯moserlover オーナーズボイス Vol.4

2022.11.28

“H.モーザーは、時計の道を広げてくれた大切な存在です” E 氏

【PROFILE】

岐阜県出身、E様
2017年にH.モーザーと出会い、細部に宿る職人の手仕事の美しさに魅了され、それ以来ブランドの虜になったというE氏。E氏にとってH.モーザーは“ずっと大切にしていきたいブランド”だと語ってくれた。そんなE氏が感じるH.モーザーの魅力とは何なのか?これまでの時計との思い出を振り返りながら、お話を伺った。

取材・撮影=hyogen

-今回購入された時計でモーザーの時計は6本目だと伺っておりますが、H.モーザーの時計を収集されるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

H.モーザーとは、当時近所にあった時計の並行店で初めて出会いました。文字盤もムーブメントもすごく綺麗な時計だなと思いましたが、当時はそこまで時計に詳しくなかったことと、当時買っていた時計より価格が高かったこともあり、まだ買えるものではないと思っておりました。そう思っていたところ、2017年にパイオニアコレクションが発表されたんです。素材がステンレススチールで文字盤がミッドナイトブルーという組み合わせがすごく綺麗で、価格帯に関しても「これなら僕でも買えるH.モーザーが発売された」と思ったのが始まりですね。

-最初の一本を迎え入れることにされた決め手は何だったのでしょうか?

当時他のブランドさんの時計とどちらにしようかと迷っていたところ、とある正規販売店で行われていたH.モーザーのフェアに参加した際にパイオニアコレクションを生で見ることができて、その美しさに魅了されました。その場で購入を決めたのが最初ですね。時計は決して安くないものですし、「これなら僕でも買える」と感じられたことが大きかったです。当時の僕は金無垢の時計をしていなかったことと、42.8mmという大きさが僕にとってちょうどよかったというのが決め手の一つです。

E氏にとって、H.モーザーは独立系時計ブランドの入り口だったという。E氏にとって、H.モーザーは趣味を超え、時計の奥深くに入るきっかけとなった。プロダクトとしての美しさだけでなく、ブランドとしてのポリシーや思想にも深く共感できるのだという。


新たな挑戦を続けるH.モーザーへの共感

-H.モーザー以外にも幅広いブランドの時計を所有されているとお伺いしておりますが、その中でもH.モーザーの魅力はどこにあると思いますか?

文字盤が綺麗なのはもちろんですが、こだわりのムーブメントもすごく綺麗なので、機械の美しさが大きな魅力だと感じています。あとは、ブランドとして様々なことに意欲的にチャレンジし続けている姿勢がすごくいいなと思いますね。ラグジュアリーとはこうあるべきだという在り方や、TPOに適した時計というものがある中で、H.モーザーはブランドとして、今までのラグジュアリーとは違った切り口から時計を作っているというところに惹かれています。

-プロダクトとしての美しさだけでなく、ブランドの思想にも深く共感し、そこに魅力を感じられているというのはとても素敵です。

そうですね。あとは担当スタッフをはじめ、ブランドの方々が僕に対してすごくよくしてくださるところが好きだなと思っています。最初にH.モーザーのイベントに呼んでいただいた際も、僕は当時エントリーモデルであるパイオニアコレクション一本しか持っていませんでした。多分あの会でパイオニアしか持っていなかったのは僕だけだったはずなのに、そんな僕に声をかけてくださったんです。一本しか持っていない僕をイベントに呼んでくださったブランドの方も大事にしていきたいと思いました。H.モーザーは“ずっと大切にしていかなければいけないブランド”だと思っています。

H.モーザーが広げてくれた、時計の道

H.モーザーの時計のイベントでお会いした台湾の方とは今でも仲良くさせていただいていて、H.モーザーのお陰で時計の輪も広がったなと思っています。当時のイベントでお会いした方とは、今でも食事に行ったりと仲良くさせていただいていますね。僕にとってH.モーザーというブランドは、時計の道を広げてくれて、趣味が楽しくなるきっかけを与えてくれた存在です。

-人生の一部になったという感覚でいらっしゃるのですね。モノづくりに対する思想の部分にも深く共感されていること、モーザーへの深い愛が感じられるエピソードですね。

ブランドとしてのSNSの使い方も上手で、“作り手と繋がる”というのが新しく、分かりやすくて素晴らしいなと思っています。例えばSNSでH.モーザーの時計をアップしたら、社長もセールスの方もすぐにいいねをしてくださるんですよ。そこもすごいなと思います。

-作り手の方達が見えるというのも、モーザーならではの魅力。自分が魅力に感じたことを発信して、それをブランド側が見てくれているというのは嬉しいですよね。

ストリームライナー・フライバック クロノグラフは、1920~30年代にかけて活躍した高速列車を思わせる美しい曲線を持つ時計。ミニマリズムを取り入れた流れるようなデザインで、人間工学に配慮した独特の設計によるステンレススチール製シングルリンク一体型ブレスレットが特徴。

-本日ストリームライナー・フライバック クロノグラフを迎え入れられたとお伺いしておりますが、記念すべき6本目をこちらに決められた理由を教えてください。

ストリームライナー・フライバック クロノグラフのローンチイベントにご招待いただき、その際に現物を見させていただきました。正直なところ、当時の文字盤は今と違っていたのですが僕には刺さりませんでした。でも裏の機械を見てみると、今まで見てきた普通のクロノグラフとは違うものだと感じました。全く違うコンセプトで作っているクロノグラフだったので、見た時に欲しいなと思ったんです。当時の文字盤が好きではなかったのですぐに注文には至らなかったのですが、その後もずっとストリームライナー・フライバック クロノグラフが欲しいなと気になっていました。価格の面でも、他のものより意欲的な作品だと思うので、欲しいという気持ちがありながらも、なかなか買えずにいましたね。

-様々な理由が重なり、すぐに決断に至らなかったところから、ストリームライナー・フライバック クロノグラフを迎え入れようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

時間が経った頃、以前はグレーだったフュメダイアルがファンキーブルーになったのを見た時に、「これ、すごくかっこいい!」と思ったんです。でも、その頃にはシステム上予約ができなくなり、買えなくなってしまっていました。欲しいと思ったタイミングで買えなくなってしまったので、「これは困ったことになったな」と思いました。笑 でも、何度かお店の方とやり取りを進めているうちに、良いタイミングでご紹介いただくチャンスがあったので購入させていただく流れになりました。

プロダクトとしての美しさだけでなく、ブランドの思想にも深く共感し、深い愛情を注ぐE氏。
現在所有されている他の時計についてもこだわりのポイントを語ってくれた。

時計との出会いは、偶然の重なり

-優雅で繊細なデザインが特徴のエンデバー・スモールセコンドをお持ちですが、魅力に感じられている部分をお聞かせいただけますでしょうか?

この時計(エンデバー・スモールセコンド)は、見返しの部分が詰まっているところが高級だなと思いますね。一般的に文字盤とガラスの間って針が通るので間が開いてしまうそうなのですが、そうすると光が当たった時に針の影が出たりしてしまいます。しかし、見返しが少ないと、文字盤に針がくっついているように見えるんです。文字盤とサファイアのクリアランスがすごく狭いところがとても美しく、魅力に感じています。

ベゼルに関しても、すごく贅沢な作りをしているので、立体感が現れているなと感じます。機械についても、歯車が一個多いんですよ。構造上はいらないけれど、あった方が綺麗。見ていてすごく美しいなと思います。ケースの形も、横から見た時に翼が羽ばたいているように見える。この価格帯でこれだけ仕事してくれるのは、H.モーザーだけかなと思います。

-着眼点が素晴らしい。それは、様々な時計を見てきたからこそ見抜くことができる部分ですね。

僕がH.モーザーの中でいつか欲しいと思っていたのが、永久カレンダーの時計であるエンデバー・パーペチュアルカレンダーでした。初めてH.モーザーを買いに行ったお店の方がそれをはめていらっしゃったことがきっかけで、いつか欲しいなと思っていました。裏の景色ももちろん素晴らしいですし、ムーブメントを作るにあたってのブランドの思想がとても良い。
僕はこのH.モーザーのロゴが好きなんですが、いつか欲しいなと思っていた時に、ロゴ入りのパーペチュアルがもうなくなるということを担当スタッフから聞き、一本だけ日本にあるということを知りました。カタログで見た時もローズゴールドのケースにミッドナイトブルーの文字盤という配色が一番好きだったので、最後の一本と聞くと、手に入れられるのはもう最後なのかなと思いましたね。

-いろんなタイミングも重なり、運命も感じられたのですね。

そうなんです。ケースもすごく独特ですし、裏側のガラスもカーブしていて、ベゼルの形もすごく独特なのが好きですね。

-実際にモーザーを所有されてから、ご自身の中で時計やモノづくりに対する考え方などに変化はありましたか?

誰が見ても分からないものが好きなので、時計の趣味がマニアックになりましたね。笑
買った当時はH.モーザーの存在を誰も知らなかったのですが、最近は着用しているとH.モーザーの時計だと気づいてもらえることも増えました。時計屋さんへ行く際にモーザーを着用して行くと、「モーザーの時計ですね。いい時計をされていますね。」と言っていただけることが増えました。そう言っていただけることは、“いい時計をしてるんだな”と自分でも再確認できる瞬間ですね。今ではこれだけ素晴らしい時計として認知され、有名になっているというのは、今の自分にとっては嬉しいことでもあります。5年ほど前からH.モーザーを時計の入り口として選べたことはすごくよかったなと思っています。

-H.モーザーに対する愛が深いE様ですが、現在モーザーの時計を検討されている方におすすめしたいポイントはどこでしょうか?

所有欲を満たされると言うのかな。いい時計をしていると言うのはもちろんありますね。
あとは、古い考えに囚われている時計業界の中で、新たなことに挑戦しているブランドの考えが時計に表れているかなと思います。コンセプトのダイヤルやロゴをクリアラッカーで印字しているとか、そういう、今までにない新しいラグジュアリーの形みたいなものを、決して安くはないけれど、高い時計を買うという人たちに自信を持っておすすめできる時計なのかなと思います。時計づくりも妥協なくやってくれているところもおすすめできますね。

-一つひとつ職人さんの手仕事で仕上げているからこそ、文字盤の部分に関しても一つとして同じものがないというところも魅力ですし、だからこそ自信を持っておすすめできますよね。

そうですね。
僕は、いつか欲しいという憧れを手に入れるような感覚で、これからも頑張っていくのかなと思いますね。